朝までどくしょ 「旅のラゴス」~SFエンターテイメントと哲学の融合

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どうもダイチです。

「朝までどくしょ」の第二弾です。

さぁ、レッツどくしょ。

 

Contents

~SFエンターテイメントと哲学の融合~ 「旅のラゴス」

 

今回は、「旅のラゴス」という本を紹介します。

けっこう有名な本なので知っている人もいるかもしれませんね。

 


旅のラゴス(新潮文庫)

基本情報

 

〇タイトル 「旅のラゴス」

〇作者 筒井康隆

〇ジャンル SF・冒険

〇出版社 新潮文庫

〇ページ数 本編250ページ

〇読了時間目安  3時間

 

こんな人にオススメ

 

・質の高いエンターテイメント小説を求めている人

・ただ面白いだけじゃ嫌!考えさせられる本がいい!という人

・自由と旅を愛する人

・SF好きの人

 

概要

 

文明が退化し、その結果人々が特殊能力を開花させた世界でラゴスは旅をする。

読者もラゴスと一緒に旅をする。

途中まで、読者にラゴスの旅の目的は告げられない。

道中ラゴスは、様々な街で、様々な人と出会い、様々な教訓を得る。

ある時は奴隷となり、ある時は友情を知り、ある時は事件に巻き込まれ、ある時は恋をする・・・

人生の全てが詰まったような旅、いやもはや、旅という名の人生。

 

ラゴスは何故旅をし続けるのか、そして、その目的が果たされた時、ラゴスは何を見るのか。

ラゴスの一生を共に体験することで、僕たちは自身の人生そのものの再定義を迫られる。

人生は旅であるーーーその言葉が深く納得させられるSFエンターテイメントの傑作。

 

感想 ネタバレなし

 

最初のページから最後まで一気読みした感想です。

 

・濃いキャラクター

・魅力的な世界観

・わかりやすいストーリーライン

・展開のスピーディーさ

・ラゴス(主人公)との一体感

これら全部揃っていて、まさに「時を忘れて読める本」の典型みたいな本。

 

SF要素はそこまで強くなく、ちゃんとリアリティがあるなという印象。

世界観が半端なくガッチリ固まっている。

 

さて、僕が思う、この本の一番の魅力は、

この小説が質の高いエンターテイメント要素と哲学的な要素を絶妙なバランスで備えていること

 

部分部分をみると、SF要素+冒険、ユーモア、恋愛などで成り立っていて、純粋に面白い!という感じなのですが、これをラゴスの旅、ラゴスの一生として繋げて眺めるとあら不思議。

なんだか哲学的なテーマ、人生観の問題や生きる意味みたいな問題が立ち現れてくる。

最終的には、ラゴスとの旅を通して、「あれ、そういえば自分の人生の目的って何だったっけ?」というところまで考えさせられる。

ただ面白いだけじゃ終わらせないところが、傑作と言われる所以なのでしょうね。

さすが、日本が誇るSF作家、筒井康隆。

その技量と人生に対する深い洞察に感嘆させられます。

 

あともう一つ作品の魅力を挙げると、それは「想像を掻き立てるバツグンの世界観」ということになります。

舞台となっているのは、地球っぽい惑星です。

モデルは全て地球なのですが、そこに生きている動植物がとても独創的です。

例えば、作中ではみんな移動手段として「スカシウマ」という家畜に乗ります。

このネーミングセンス!!

めちゃくちゃ想像を刺激されます。

スカシウマって(笑)

あとは、幻影を見せる赤い蝶とか、めっちゃデカい鳥とかが出ます。

ここに挙げたのは一例で、印象的な動植物がまだまだたくさん出ます。

なんか改めて、いい意味で物語って自由だよなーって感じさせられました。

 

なんというか、全体を通して、筆者がすごく楽しそうに書いているのがわかるというか、筆者の頭の中に明確にこの世界があって、だからこそ、僕らの頭の中にもラゴスの生きている世界がこんなにもありありと映し出されるんだろうなぁと思いました。

ちなみに、最初の方は、章ごとに街が変わって若干短編っぽい感じがしますが、ラゴスの旅の目的が明らかにされてからは、物語が一気に加速し、様々な伏線が回収されていきます。

至高の読書ここにあり、です。

SFはちょっと、という人にもお勧めですよ。


旅のラゴス(新潮文庫)

では、また。

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