リーダー・指導者のための実践組織心理学 ~理想の集団とその凝集性~

集団

スポンサードリンク



どうも、ダイチです。

久しぶりにがっつり心理学の話をします。(もともと心理学がテーマだったんだよな、このブログ)

実践組織心理学と題して、集団の心理学的ダイナミズムについてめちゃくちゃ実践的なものを紹介します。

今現在何らかの集団でリーダーや指導者をつとめている人用に書きますが、そうでなくとも現在属している集団の評価や改善に興味がある方は是非最後までお付き合いください。

 

Contents

あなたにとって理想の集団とは?その定義要因

 

私は、ずっと教員をしていたので集団運営がメインの仕事でした。

クラス経営、部活動経営がその最たるものでした。

そして常に「理想の集団とは何か?」を考えていました。

その結果たどり着いた答えは、

「それぞれの集団の性質や状況によって変わる」という当たり前のものでした。

なんだそれは!と思われるかもしれませんが、これが真実だと思います。

しかしそうは言っても、ある程度の定義はできるかと思います。

 

理想の集団の定義要因

 

① その集団が集団としてどれほど(どのような)結果を出しているか

② その集団に属する人間の総合的な満足度はどうか

です。

定義自体はどちらもかなりわかりやすいかと思います。

つまり、集団が個々の寄せ集めの総和よりも良い結果を生み、さらに集団内部の人間が「この集団に属せてよかった!」と思えれば、文句なく良い集団だと言えます。

あとはそのバランスです。

この①と②の最適な比率は、各集団によって違うということです。

結果を求めるがあまり、出した結果に見合わないほどの不満足が発生したり、

満足度を求めるがあまり、結果が疎かになったり、ということがありえます。

ということなので、集団のリーダーや指導者のやるべき仕事は、以下のようになります。

① その集団の結果と満足度の合計が最大値となるようなポイントを見定める

② 現在の集団の実情を見定める

③ 現在地点から最大値ポイントへと集団を導く

です。

 

集団の凝集性という“ものさし”

 

さて、では具体的にどうすればよいか、という話になります。

その際使える考え方として、「集団の凝集性理論」というものがあります。

集団の凝集性とは、集団の各メンバーが互いに引き合う程度、のことです。

ざっくり、集団の結びつきの強さ、と理解しても良いかと思います。

まずはこの凝集性をものさしとして、上記した結果と満足度の最大値ポイント、及び現在地点を見定めるのが良いかと思います。

集団の凝集性の性質を簡単に述べます。

 

集団の凝集性が高い場合

例:甲子園のベンチ入りメンバー,教員新採用研修での班,など

性質

・集団としての力を効率的に発揮できる(結果を生みやすい)

・集団メンバーの能力・価値観・バックグラウンドなどが似通っている

・集団内の規則や規範が厳しい(暗黙のルールが多い)

・外部と隔絶されている感が強い

 

集団の凝集性が低い場合

例:近所の自治会の集まり,PTA会の集まり,など

性質

・集団内メンバーの自由度が高い

・集団内メンバーの共通項が少ない

・集団の規則や規範が緩い

・豊かな発想が生まれやすい

 

ものすごくざっくり言うと、

凝集性を高めれば、結果は出やすいです。

しかし、集団内のストレスは高まります。

凝集性を低下させると、結果は出にくい(効率的に集団が動かない)です。

しかし、集団内のストレスも低くなります。

 

ただし、ある点を越えてしまうと、逆転現象が起きます。

凝集性が高すぎると、集団の効率性(結果)が落ちます。

これは、詳しく後述します。

 

そして、凝集性が低すぎると、満足度まで下がります。

これは、そもそもメンバーが集団に属しているという感覚を失ったり、集団の規範が無さ過ぎて無秩序な状態が訪れたりするせいです。

 

これを踏まえて、

最低限の凝集性の高低は維持しつつ

① 凝集性という観点から集団の目的地や実情を見定め、

② 凝集性をコントロールする

ことは、理想の集団に近づく一つの手段となるのではないかと思います。

 

集団の凝集性理論の応用

 

ここからは応用となるので、興味がある人は読み進めてください。

まず、先述したなぜ集団の凝集性が高まりすぎると、結果まで落ちるのかということを説明します。

凝集性が高まりすぎると、暗黙のルールが増えること以外にも、集団に以下のような症状が出ることがあります。

 

・自集団への過剰評価

・閉鎖的な発想

・画一性への強い同調圧力

です。

その結果、集団浅慮(グループシンク)という現象が起こります。

これは、集団で意思決定を行うと、かえって短絡的な決定がなされてしまう、という事態のことです。

そしてその決定は、グループシフトという極端な結論となる場合が多く、

その中でもリスキーシフトと呼ばれる極端にリスキーな決定となることも多いそうです。

結果を求めて、集団の凝集性が上がり過ぎたときは、リーダーや指導者がこの事態を想定していることが大切です。

また、メンバー自身もこの危険性に自覚的であるほうが良いです。

まぁ、もっともそのレベルであれば、もはや疑う余地なく、すでに最高レベルの優れた集団ですが(笑)

 

おわりに

 

僕が思う理想の集団の定義、それから集団の凝集性の紹介をしました。

何か使える情報を一つでも見出していただけたら嬉しいです。

また機会を見て、

どうすれば凝集性は高められるのか、弱められるのか、という話をしようと思います。

それでは、また(^^♪

 

組織心理学関連記事

①⇒組織心理学の要!伝説の軍人アイゼンハワーに学ぶ、最もシンプルで役立つリーダー論入門

②⇒あなたはgiver?それともtaker? 「組織心理学」というジャンル 【絶対ためになるTEDプレゼン⑧】

 

スポンサードリンク








コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です