組織心理学の要!伝説の軍人アイゼンハワーに学ぶ、最もシンプルで役立つリーダー論入門

アイゼンハワーと同盟国将軍たち

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Contents

今すぐ使えるリーダー論

 

リーダー論はそもそも簡単なものではありません。

たくさんの場合分けやサンプル分析が必要な複雑な学問領域です。

例えば、部下との信頼関係が全くない場合、最も良い結果をもたらすリーダー特性は?

とか

グイグイ引っ張っていくタイプのリーダーとサポート的なリーダーでは会社の業績にどちらがより好影響をもたらすか?

そしてその理由はなにか?

また、それには何らかの条件があるのではないか?

みたいな感じです。

一概に「こういうリーダーが最強」って結論付けようとしないんですね、学問なので。精密に厳密にやらないといけないので。

 

前置きが長くなってしまいました。

でも、僕らが知りたいのは「今すぐ使える、どこでも使える」リーダー論ですよね。

精密さなんて少々大目に見るから、普遍的なリーダー像をイメージしたいですよね。

今日は、それを教えるレアな本見つけたのでそれをもとに学問的精密さを脇へ押しやって、超現実的なリーダー論をお伝えします。

 

第三次世界大戦を防いだ男 アイゼンハワー

 

第34第アメリカ合衆国大統領、アイゼンハワー

第二次世界大戦ヨーロッパ戦線の総司令官であり、連合国軍を率いて史上最大の軍事作戦ノルマンディー上陸作戦の指揮をした男です。

彼はカリスマ的リーダではなかったと評されていますが、その安定感と功績から理想のリーダーとして形容されることが多いようです。

彼をほめたたえる言葉は数多く、「最も偉大な凡人」とか「第三次世界大戦を防いだ男」、「アイクスマイル!」などがあります。

以下の書は元自衛隊統合幕僚長(一番偉い人)の著書ですが、その中でもアイゼンハワーを皆が学ぶべき理想のリーダーだと評しています。


自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質

 

今日はこのアイゼンハワーの特徴を「ある程度普遍的なリーダー性」だと判断して、これを紹介します。

もちろん、彼の性質を真似たとしてもあらゆる全ての場面での有効性を保証はできません。

が、あらゆる不確定要素の入り混じる戦時中、連合国軍という多国籍軍を一つにまとめ、史上最大の軍事作戦を、絶対に失敗できない(失敗したらみんな死ぬ)状況下でやり遂げたリーダーであることに変わりはないので、学ぶべき点は多そうです。

 

アイゼンハワーのリーダー特性

 

その1. ぶれない信念

 

彼には「ノルマンディ作戦」の完遂、第二次世界大戦の終結というミッション及び最終目標が与えられました。

そして、彼はそれを現実とするため様々な思考を重ねますが、やがて一つの信念に行き着きます。

それは、「連合国軍を調和させ一つにする」です。

連合国軍というのは、装備も訓練も規則も何もかも違ういわば、寄せ集め集団です。

彼は、それが一つにならないと作戦の完遂はない、と考えました。

これを自分の信念として行動基準・判断の最優先順位に位置付け、それを決してぐらつかせることはありませんでした。

困難な決断を何度も迫られましたが、常にこの信念を尊重する決断を重ねたと言います。

一つの理想・信念などの最優先事項を持ち、それを守り続けることの大切さを教えられますね。

 

その2. 親和性

 

彼は、とにかく部下とのコミュニケーションを大切にしました。

特に、前線にいる兵士を再三訪れ、他愛のない話をしたり、時には悩みごとの相談にも乗りました。

彼は、最前線で戦う者の恐怖や疲労を最も理解し、また感情の交流が兵士たちの士気をあげることを知っていました。

ゆえに、最前線に最も足を運び、悩みを聞いたり、激励をしたりと感情の交流に心を砕いたのです。

アイクスマイル、という言葉が有名ですが、これはアイゼンハワーが部下に微笑みかけるときの笑顔を指します。

アイクスマイルは戦力換算して小隊ひとつ分に相当する、という冗談もあるほどです。

それほど、彼の笑顔は隊員を勇気づけたのでしょう。

親和性のキーワードは、最前線、感情の交流ですね。

 

3. 責任を取る勇気

 

彼は、とにかく責任感が強いリーダーでした。

あるエピソードがあります。

アイゼンハワーは、総司令官として、また作戦の完遂のためにイギリス空軍の指揮権が絶対に必要だと考えていました。

アイゼンハワーはアメリカの軍人ですから、いくら連合国とはいえ、はじめイギリスは空軍の指揮権を彼に託すことを嫌いました。

アイゼンハワーは何度も時のイギリス首相チャーチルに願い出ますが、チャーチルは首を縦に振りません。

すると彼は、チャーチルに向かって「それならば俺は総司令官をやめて、本国へ帰る。空軍の指揮権なしで作戦を実行することはあり得ない」

と言い放ちます。一見わがままを言っているようにも聞こえますが、この言葉は大勢の命を託された男の責任感から発せられたものです。

できないことをできないと言う、時には権力に向かって楯突く、そうやって任務完遂と部下の命を死守することもリーダーの務めなのです。

また、ノルマンディー上陸作戦後、しばらく経って彼の部屋からは一枚の手紙が見つかります。

その手紙にはこう書かれていました。

「連合国軍の兵士たちは皆勇敢に戦い、全力を尽くした。この作戦の失敗原因はひとえにこの私にある」と。

作戦失敗時を想定して描かれた手紙、グッときますね(笑)

 

その4. 謙虚さ

 

ノルマンディー上陸作戦が決行されてまもなく、連合国軍は苦戦を強いられます。

その原因はドイツ軍の優秀な戦車隊によるローラー作戦でした。

これにより、せっかく上陸した連合国軍兵士たちが多々犠牲になっていきました。

アイゼンハワーは至急、戦車に詳しい兵士たちをアメリカ本土へ送り返し、その対策案を練らせます。

一方のイギリス幹部は、このローラー作戦を前に自軍が苦戦を強いられているという情報を隠蔽し、イギリスへは万事順調だと報告させていました。

つまり、自らの失敗を隠して、名声やプライドを守ろうとしたのです。

アイゼンハワーは、自らの失敗をすぐさま認め、その対策に至急とりかかったのです。

 

その5. 厳しさ

 

楽観的な性格も持ち合わせていたアイゼンハワーは、その親和性もあって柔和なイメージをもたれていました。

しかし、自軍の兵士があることをすると、大変厳しくその処置を行ったといいます。

その「あること」とは2つあります。

一つ目は、全力を尽くさないこと、です。

そして、二つ目は、隊員が他の隊員に向かってパーソナルな攻撃をした場合、です。

パーソナルな攻撃とは、その人の特性や生い立ち、宗教や肌の色、などを指した誹謗中傷のことです。

こんな話が残っています。

隊員たちがあちらこちらで「バカ」だの「アホ」だの言って騒いでいる。

アイゼンハワーは、別に何も言わない。

しかし、一人の者が「おいそこの、イギリス人のバカ」と他の隊員を呼んだ時、アイゼンハワーは激怒し、その者を即座にアメリカ本国に送り返した(クビにした)。

これはもちろん、彼の信念に背く行いだったからでしょう。

組織の融合、調和を第一に掲げた彼だからこそ、内部での風通しのよさや快適感をより重視したのです。

 

まとめ こうすれば優れたリーダーになれる

 

① ぶれない信念(理念)をもつ

② 部下とコミュニケーションをしっかりとる

③ 組織内で一番大変な思いをしている人、最前線の人と感情の交流をする

④ できないことはできないときっぱり言う

⑤ 時には権力(目上の人)にも盾突く

⑥ 失敗した時に責任を取る覚悟をもつ

⑦ いち早く失敗を認め、改善策を練る

⑧ 全力を尽くさないやつには厳しく接する

⑨ 組織内でパーソナルな攻撃をするようなやつは断じ許さない

 

最後まで読んでくださってありがとうございました(^^)/

 

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