どうもダイチです。
話題となったベストセラー『FACTFULNESS』を読んでひどく感銘を受けたので記事にしてみました。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
冒頭の問題だけでもかなりためになるはずなのでサッと目を通してくださればと思います。
Contents
世界のことをどれだけ正しく理解しているかテスト
人は皆、未来について考える。
毎日毎日考える。
真剣に、ときには深刻になって考える。
例えば、ビジネスを考案する、就職先・転職先を考える、住む場所を決める、身に付けるスキルを決める、子どもの習いは何をさせるか、投資はするべきか、老後の生活はどうする?
そして、とりあえずの結論を出して生きている。
それが正しい決断なのかそれとも間違っているのか、それはわからない。
誰にもわからない。
しかし、一つだけ言えることがある。
現在に基づいて未来は形成される、ということだ。
現在を正しく把握している者が未来を正しく予想する。
『FACTFULNESS』が教えてくれる最初の教訓がこれだ。
これを読んでいるみなさんは現在の世界をどれほどよく理解しているだろうか。
試しにいくつかの質問を挙げる。全て『FACTFULNES』からの引用だ。
ぜひやってみてほしい。
問題1. 「世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年間でどのように変化したでしょう」
A 約2倍になった
B ほぼ同じ
C 半分になった
問題2. 「世界の平均寿命は何歳でしょう」
A 70歳
B 60歳
C 50歳
問題3. 「世界中の1歳児のなかで何らかの病気に対する予防接種を受けている子どもはどれくらいいるでしょう」
A 20%
B 50%
C 80%
問題4. 「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう」
A 20%
B 40%
C 60%
問題5. 「世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう」
A 低所得国
B 中所得国
C 高所得国
問題6. 「いくらかでも電気を使える人の割合はどれでしょう」
A 20%
B 50%
C 80%
問題7. 「自然災害で亡くなる人の数はここ100年間でどのように変化したでしょう」
A 約2倍になった
B あまり変わっていない
C 半分以下になった
問題8. 「1996年、トラ・クロサイ・ジャイアントパンダは絶滅危惧種でした。今はどうなっているでしょう」
A どれか一つが絶滅した
B どれも当時より頭数が減っている
C 当時より絶滅に瀕している種はない
答え
1「世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年間でどのように変化したでしょう」⇒C(半分になった)
2「世界の平均寿命は何歳でしょう」⇒A(70歳)
3「世界中の1歳児のなかで何らかの病気に対する予防接種を受けている子どもはどれくらいいるでしょう」⇒C(80%)
4「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう」⇒C(60%)
5「世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう」⇒B(中所得国)
6「いくらかでも電気を使える人の割合はどれでしょう」⇒C(80%)
7「自然災害で亡くなる人の数はここ100年間でどのように変化したでしょう」⇒C(半分以下)
8「1996年、トラ・クロサイ・ジャイアントパンダは絶滅危惧種でした。今はどうなっているでしょう」⇒C(すべてマシになった)
どうでしたか?
結構間違ってたんじゃないですか?
ちなみに筆者の出身国スウェーデンでの平均正答率は10~20%だったらしいです。
あとで動画も貼っておきますが、TEDカンファレンスでも同じような質問をした結果、正答率は30%弱でした。
(僕は20%くらいでした。)
これが現在の正しい世界の姿です。
もし認識にズレが、それも大きなズレがあるとしたら・・・
そしてその誤った世界観を“常識”だとか思っちゃったりして・・・
恐ろしい限りです。
世界はどんどん悪くなっている!?
・資本主義は頭打ちになる
・凶悪犯罪が増えている
・自然災害、異常気象がやば過ぎる
・テロリズムが止まらない
・政治の腐敗が止まらない
・人口爆発で食料がなくなる
・男女間の差別は埋まらない
・アフリカとかだいたいみんな貧困なんでしょ?
・超格差社会がやってくるんでしょ?
あげればきりがないですが、たぶん多くの人はなんとなーく「世界はやばいことになっている」と思っているのではないでしょうか?
理由は上記のような感じで。
確かにニュースを見れば、アフガニスタンで自爆テロは起きるは、でっかいハリケーンが襲来するは、高校生が銃を乱射するは、親が子を殺すは、政治家が嘘をつくわ、悪いニュースには事欠きません。
でも、でもですよ。
きっちりデータをとって過去と比べてみると、圧倒的に、いやもうぶっちぎって、
世界は良くなっている、わけです。
・寿命は延びる
・乳幼児死亡率は劇的に下がる
・労働時間も減る
・貧困も減る
・戦争もほとんどない
・教育を受ける権利は確保される
・自然保護地区は拡大される
・災害被害は圧倒的に軽減できている
・各地でインフラが整う
思っている以上に人類の進歩は目覚ましいわけです。
で、問題というか、ここが核心部なんですが、
じゃあなぜ、僕やあなたもそうだったみたいに、多くの人は世界を悲観的に(それも超悲観的に)把握して、“もっともっと悪くなる世界”というイメージをもっているんでしょう?
実際には、幸せや平和に関わるあらゆるデータは、世界はどんどん良くなってきていることを示しているのに。
その現実とイメージとのズレの正体、原因を暴くのがこのベストセラー『FACTFULLNESS』の内容なんですね。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
僕たちはなぜ世界を正しく見れないのか
全部は書きませんが、世界の事実と我々の頭の中にあるイメージとのズレの原因を2つほど紹介します。
分断本能
僕たちは世界を、事象を分断しようとするクセがある。
本能的なもので、誰にでも備わっているクセだ。
極言すれば、“中間を認めない”クセだ。
例えば、先進国と発展途上国というくくりがある。
多くの人はすべての国はこのどちらかに属すると勘違いをしている。
先進国でなければ、発展途上国、発展途上国でなければ先進国、といった具合に。
しかし、事実はまったくもって異なる。
先進国、発展途上国の中間にこそたくさんの国が存在している。
どこからが先進国だ、という線引きをするのことは至難の業だ、そして何の意味もない。
ある面を見れば先進国的な特徴を備え、ある面を見れば発展の余地を残す、それが国というものだ。
あるいは、金持ちと貧乏もそうだ。
その中間層が圧倒的に多いにもかかわらず、我々はどこかに線引きをし、世界を分断してしまう。
この記事を見ている人はたぶん日本人だろうから、世界的に見れば金持ちに属することになる。
そのレベルの収入を稼げる人は世界ではそう多くない。
するとあなたはこう判断する。
金持ちの数は少ない、ならば金持ちでない“あちら側の世界の人”は皆貧困に違いない、と。
ものごとを二元論的に見て、圧倒的多数派である中間層を無視してしまうこと、これが分断本能が引き起こす錯覚だ。
僕たちはこの分断本能を抑制しつつものごとを見、考える習慣をつける必要がある。
恐怖本能
人間の恐怖は本能に根差している。
太古の昔よりDNAとして脈々と受け継がれてきたものだ。
サバイバルな状況を生き抜くために我々の祖先にはそれが欠かせないものだった。
簡潔に言うと、人間は
①身体的・精神的な拘束
②毒
③身体的な危害
に特に恐怖を感じるようにできている。
それを利用するのがメディアだ。
ニュースは視聴者の恐怖心を呼び起こして数字を取る。
故に、良いことはニュースにはならない。
年間4000万機の飛行機が無事着陸したことはニュースにならない。
墜落した一機がニュースとなりショックを与える。
中東で幸せに暮らす家族はニュースにはならない。
無事登山を終えた若者たちもニュースにはならない。
爆弾とか、殺傷とか、雪崩とか、行方不明とか、僕たちの恐怖に訴えるものがなければニュースにはならない。
ニュースは恐怖の玉手箱だ。
もちろん、そこから得られる情報は大切だが、それが世界の全てだと思っては決していけない。
恐怖という感情は、出来事そのものをより重大で深刻な事象であると僕たちに言い聞かせようとする。
だから、僕たちは断固として自分自身に言い聞かせる必要がある。
ニュースは世界の全体像を知るためのものではない、と。
世界を知るには、ニュースにならない大多数の生活を見なければならないのだ。
まとめにかえて TEDプレゼン「世界について無知にならないために」
最後に、『FACTFULNESS』の筆者、ハンス・ロスリングが出演したTEDカンファレンスの動画を貼っておくので、時間があればどうぞ。
※字幕設定もあります
他にも何かいい本ないかな、と思ったらこちらへ↓↓
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